「食品工場はやめとけって聞く。仕事はきついの」
「食品工場の楽な点や良い点があれば知りたい」
「他の工場との違いや特徴は?」
こういった悩みや疑問を持つ方のために記事を書きました。
食品工場で働こうか悩んでいる方にとっては、「具体的にどんなところがきついのか」「楽な部分は無いのか」というのは気になると思います。
食品工場で働いている私の経験からお答えすると、「きつい」と感じることもある一方で、楽な点もあります。
やめとけと言われますが、それは人によるかなと。
そこで現役で食品工場に勤務している僕が下記を解説します。
- 食品工場の仕事内容
- 食品工場のきつい点
- 食品工場の楽な点【他の工場との違いは?】
- 食品工場に向いている人・向いていない人
- 正社員・派遣・バイトどれが良いのか
この順番で記事を進めていきます。
私はこれまで派遣社員として以下の様々な工場で働いてきました。
- 自動車工場
- 亜鉛メッキ工場
- 半導体工場
- 半導体製造工場
- 製鉄所
- 板金工場
- 食品工場
上記のような経験があるので、本記事の信頼性はあると思います。
この記事を読めば他工場との違いや、あなたが食品工場で働くべきか分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。
食品工場のきつい点だけを知りたい方は、目次から飛んでください。
食品工場の仕事内容
食品工場は、コンビニやスーパーなどに並んでいる商品を製造し出荷するのが仕事です。
製造する商品は工場ごとに異なります。
- お弁当
- おにぎり
- サンドイッチ
- パン
- お菓子
- お好み焼き
- 焼きそば
など…
規模の大きな工場だと、お弁当、おにぎり、パンといった商品を同じ工場で製造しています。
基本的にライン作業
食品によって作業内容に違いはありますが、製造工程は基本的にライン作業です。
例えばお弁当を製造する過程は以下のとおり。
- 野菜・肉など材料のカット、下処理
- 調理
- 盛り付け
- 梱包・ラベル貼り
- 出荷
こんな感じです。
生産工程を管理するリーダーや班長以外は、それぞれの持場に配属されて、流れ作業で製造します。料理の知識は必要ないので、誰でも始めやすい仕事と言えます。
食品工場のきつい点【やめとけと言われる理由】
食品工場はやめとけ!と言われることもあるようです。その理由は以下があるかなと思います。
- 単純作業
- 衛生管理が厳しい
- 食品のニオイがにきつい
- 立ち作業
- クリーンスーツ
- スピードを求められる
- 休みが不規則
- 男性は力仕事もある
1つずつ見ていきます。
単純作業
食品工場では難しいことはやりません。
野菜を切る、食材を並べる、食材を盛り付ける、ラベルを貼る、蓋を閉める、こういった作業を繰り返し行います。
そのため、作業に変化がなく単調な動きしかしません。ライン作業なので人と会話することも少なく、1人で黙々とやることがほとんどです。
慣れてくると頭を使うこともないので、だんだん飽きてきます。
正社員になると管理の仕事も増えてくるため変化もあります。しかし、最初のうちやアルバイトまたは派遣社員の場合は、単純な作業がメインになります。
スキルアップは難しいので、飽きやすい方や、新しいことを覚えるのに意欲的な方にはとてもきつい仕事と言えますね。
食品工場に限らず、工場は基本的に単純作業です。このことから、工場はやめとけと言われがちなところがありますね。
衛生管理が厳しい
食品を扱っているので当然ですが、衛生管理は厳しいです。人の口に入るものを製造しているわけですからね。
下記は私が働いている食品工場の例です。
- 作業前はエアシャワーを浴びる
- ネイル、ピアス、指輪などのアクセサリー類禁止
- 爪を短くする
- クリーンスーツ、マスクの着用
- 手洗い消毒
- 定期的な手指検査、検便
- 出勤時に自己申告で体調を報告する
食品工場ならではと言えますね。
クリーンスーツとは目だけ出ている帽子のついた服のことです。頭髪や異物混入を防ぐために着用します。
作業場所に入る前には必ず、エアシャワーで服に付着したゴミや髪などを落とし、手洗いと手指消毒を行います。
検便の頻度は飲食店や工場によって変わりますが、食中毒を防ぐために月1回〜年1回の検便を行っています。
異物混入にはとても厳しく、作業場所に持ち込んでいい物も決まっており、指定されたバンドエイドしか使えない工場もあります。
このように食品工場は衛生管理がかなり厳しいので、きついと感じてしまう方もいるでしょう。
食品のニオイがきつい
食品工場では、米やパンだけでなく海鮮類、生肉、きのこ類など様々な食材を扱います。そのためニオイがきついことがあり、具合が悪くなる方もいるようです。
作業しているうちに慣れることもありますが、嫌いな食べ物のニオイなどは結構きついです。クリーンスーツの下に着ている私服にもニオイが染み付くこともあります。
経験上、ゲソや魚、生肉は結構ニオイがしますね。1日中ニオイが気になることもありました。
立ち作業
基本的に立ち作業なので、腰や足に負担が掛かります。動き回ることは少ないですが、ずっと中腰の状態で作業をするので、腰が結構きついです。
細かい作業を繰り返すので、肩こりや手指にも負担が掛かります。特に最初のうちは慣れないので、腱鞘炎になる方もいます。
最初は変に力が入っていたので肩こりが酷かったです。でも慣れてくると無駄な力も入らなくなり、楽に感じましたが。
クリーンスーツ、マスク、手袋の着用
作業場所に入る前には必ずクリーンスーツとマスクを着用します。異物混入を防ぐためですね。このクリーンスーツは目だけ出ている作業服のことで、中には気持ち悪くなる方もいるようです。
マスク、手袋は指定のものを使用します。
クリーンスーツは会社で洗う工場もありますが、自己管理の場合もあります。自己管理の場合は自宅で洗わなければならず、頻繁に洗濯機を動かさなければなりません。
スピードを求められる
盛り付けや調理など細かい作業が多い食品工場ですが、品質だけでなくスピードも求められます。出荷の時間が決まっているのと生産数をこなすためです。
弁当などの製造で見られる、ベルトコンベアで流れてきた容器に食材を盛り付ける工程は、遅れると全体がストップしてしまうのでプレッシャーも掛かります。
出荷数が多ければそれだけ数をこなさなければならないため、年末やGW前などの忙しい時期は結構大変です。
スピードについていけなくて辞める方も割と多いです。
休みが不規則
食品工場は基本的に365日稼働です。コンビニやスーパーに並ぶ食品を製造しているので、土日関係なく稼働しており、大勢の方が休んでいるときに働かなければなりません。
シフト制なので「休み希望が出せる」とはいえ、毎週土日に休むのは無理でしょう。
連休も少なく休みが不規則になりがちです。長期休暇も無いので、正月やお盆も出勤しなければなりません。
交代勤務の工場なんかは休みや働く時間もバラバラで、周りと予定を合わせにくいので、複数で行う趣味を持っている方にはきついかもしれません。
力仕事もある
食品工場は基本的に力仕事は少ないです。調理や盛りつけがメインだからですね。しかし、力仕事が無いわけではありません。
例えば、
- 大量の野菜や肉を運ぶ
- 粉・油・調味料などを調合し、機械に投入する
などの作業が力仕事にあたります。
とはいえ、女性に力仕事はさせません。
力仕事をするのは男性がやります。女性は盛り付け、調理、梱包などの細かい作業がメインです。
なのでその点は、女性は安心しても良いでしょう。
食品工場の楽な点・良い点【他の工場との違いは?】
食品工場はやめとけ!と言われますが、きつい点だけではありません。では、食品工場の楽な点や良い点はどういったものがあるのでしょうか。
私はこれまで派遣社員として様々な工場で働いてきましたので、食品工場と他の工場の違いを混じえながらお話していきます。
簡単な作業しかしない
お伝えしたとおり、食品工場は単純作業がメインです。派遣社員やパート、アルバイトの場合は、9割簡単な作業です。
でも他の工場も簡単な作業しかしないんじゃないの?
そうですね。基本的にどこの工場も簡単な作業が多いです。とはいえ、食品工場は他の工場よりも簡単な作業が多いと感じます。
例えば、板金工場だと溶接技術が必要。製鉄所ならサンダーやグラインダーなどの研磨技術が必要です。
食品工場はこれらの工場に比べると覚えることが少なく、技術が要らない作業がほとんどです。
「より、未経験の方が働きやすい」というのが食品工場の良い点ですね。
単純作業が苦にならない方は食品工場が向いていると言えますね。
力仕事が少ない
時には力仕事がある食品工場ですが、他の工場に比べると圧倒的に力仕事は少ないです。自動車工場や製鉄所のように大きな鉄製品などを扱うことが無いからです。
食品工場の重量物は、野菜、小麦粉、水といったものですが、女性はこれらを運ぶことはしません。男性は運搬を任されることもありますが、自動車工場のようにラインの中で1日中筋トレのような作業をすることはありません。
自動車工場では、30キロほどある製品を1日に200回〜300回ほど持ち上げていました。そのときは腱鞘炎と筋肉痛になり大変でした。
食品工場では、20キロの小麦粉や水などを運んだり持ち上げたりすることがありますが、頻度が少ないので圧倒的に力仕事は少ないと感じます。
力仕事が少ないので、女性におすすめできるのが食品工場です。実際にパートとして働く女性が多い業界ですよ。
空調完備されている
食品工場は温度が一定に保たれています。クリーンルーム内では、食品を腐らないようにするために冷房の効いている場所がほとんどです。
板金工場、溶接工場、自動車工場、メッキ工場、製鉄所などは空気が悪いです。溶接や研磨などを頻繁に行っているためです。塗装を行っている工場ではシンナーや塗料のニオイがきつく具合が悪くなることもあります。
一方で食品工場は空気が良いし、ニオイもシンナーや塗料ほどきつくはありません。
様々な工場で働いてきましたが、食品工場は圧倒的に空調がしっかりしていますね。有害な煙やニオイも無いので健康被害も少ないと言えるでしょう。
休み希望を出せる
ほとんどの食品工場はシフト制なので休み希望を出せます。自分のペースで休みを入れやすいし、平日に休めるので市役所や病院にも行きやすいというメリットがあります。スーパーなども空いていて、予約が必要なお店に行きやすいのも嬉しいです。
例えば、自動車製造工場では基本的に土日休みです。平日に休むとなると、有給を使うしかないでしょう。
自分の好きなときに休めるので、私用を済ませやすくなります。連休にすることもできるし、週の真ん中に休みを入れたりすることのできます。病院に通っている方にもシフト制は嬉しいでしょう。
つまり自分のペースで仕事をしやすいということです。
休みの自由度が高く、プライベートの予定を入れやすいのがシフト制の良いところです。
危険なことが少ない
工場は「汚い・きつい・危険」とよく言われます。しかし食品工場の場合は「汚い・危険」は当てはまりません。お伝えしたとおり空気は良いし重量物も少ない、危険な工具を使うことも無いからです。
危険な作業や怪我をする可能性が少ないというのは、すごく良い点ですよね。
正直、板金や溶接、研磨をする工場は危険なことが多いです。危ないなぁと感じることはよくあるし、実際ケガした人も見たことがあります。ぶっちゃけ私もケガをした経験があります。
食品工場に入ってからは一度もケガをしたことことはないし、危険だと感じることも無いです。食品工場の職場環境はとても良いと言えると思います。
働くなら正社員・派遣・バイトどれが良い?
将来性を考えるならもちろん正社員が良いです。正社員と派遣では、作業内容に違いが無い会社がほとんどですが、スタートが同じでも将来的に班長や主任になるのは正社員だからです。
とはいえ、いきなり正社員になるのは不安。
そんな方は派遣社員かアルバイトから始めるのがおすすめです。
食品工場は人手不足ということもあり、募集している企業がたくさんあります。
アルバイトなら
せっかく試せるチャンスがあるのですから、まずは気軽に応募してみてください。
下記の記事では工場に向いている人を解説しています。工場に向いている人や工場で働くメリット・デメリット、仕事の探しかたまで分かります。自分が工場に合っているか知りたい方はぜひご覧ください。
食品工場はきついだけじゃない!【危険が少なめ】
食品工場はきつい点だけでは無いことが分かったと思います。
おさらいすると
- 食品工場は単純作業
- きつい点だけではなく楽な点もある
- 他の工場と比べて、安全で力仕事が少ないのが食品工場
ということですね。
僕も食品工場で働いていますが、工場の中では楽なほうだと感じます。
やめとけと言われることもありますが、人にもよると思います。
気になる方は掲載数の多い
下記の記事では向いてる仕事が分からないときの対処法をお伝えしています。「自分はどんな仕事に向いているんだろう?」とお悩みの方はぜひご覧ください。
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